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MAX 2007 Japan 1日目 基調講演

2007年11月05日

最初にアドビシステムズ代表取締役社長Garrett Ilg氏が日本語で挨拶をしてくれた。
続いて、ケビンリンチさんの話。

アドビは、コンテンツとして体験を提供してきた。
以前も今もコンセプトは以下のような事柄。
・インターフェイスよりまず、コンテンツが重要だ。
・コンテンツは体験だから、自分にあっていることが重要だ。パーソナライゼーションが重要。
・余計なことに煩わされずに体験できるように、シンプルであることが重要だ。
・インターフェイスのエフェクトは、意味あるものだけにすべきだ。
・作るのはUIではなくてあくまでも経験だ。ライブ中継やチャットなどが重要。

今、アドビが具体的にどんなことをしているかという話。

まず、ビデオの話。
FlashVideoはインターネットのビデオ配信の70%で利用されているフォーマット。
さらに、次期バージョンとして開発されている、コードネームmoviestarでは、H.264にも対応することになっている。
H.264の採用により、720x480のサイズでも、高画質を維持したストリーミング再生が可能になり、また、moviestarではそれをフルスクリーン表示にしても、画質を維持することができるようになっている。

(実際にメディアプレーヤーでデモして見せてくれた)
FlashVideoには今の所、専用のプレーヤーがないので、アドビメディアプレーヤーを作っている。
(メディアプレーヤーはAIRアプリ。コンテンツの作成から、配信、ビデオのフォーマット、プレーヤー、プレーヤーの作成ツール、全てアドビ製ということになる)
メディアプレーヤーは、オーバーレイ広告の表示も可能な、賢い再生環境となる予定。

続いてRIAの話。
web2.0向けの製品デモ。
Buzzword
BuzzwordはWeb上のワープロで、Flexで作られている。
ネットワークを介して、データの共有・同期ができる。
ドキュメントのヒストリもきちんと管理・閲覧できる。
テキストの編集がスムースに行えるのは、flashplayer9の性能アップによるとのこと。

BuzzwordはFlexで作られているので、簡単にAIRアプリへの移行ができるとのことで、実際にデスクトップアプリ化されたBuzzwordのデモも見せてくれた。
AIRのデスクトップアプリ化することによって、ドラッグアンドドロップで、ローカルのMSワードドキュメントなども、Buzzwordで扱えるようになっていた。
ドキュメントは、ローカルで通常のドキュメント同じように管理できると同時に、Buzzwordで編集することによって、サーバー上の共有ファイルとも自動的に同期するようになっている。
ユーザーは、ローカルファイルか、サーバーの共有ファイルなのか、特に意識する必要はなく、共同作業ができる。

Buzzwordの構成は、FLEX,CS3で作成され、サーバーサイドのテクノロジーは.netで、クライアントがブラウザ上のflashplayerかデスクトップのAIRになる。

続いて、AIRアプリの製作方法についてのデモが行われた。

開発担当者の方から、最初にDWCS3のAIR拡張機能の使い方・メリットの話。
HTMLのコードそのまま、AIRアプリに行こうできるのがメリット。
AIRアプリのプレビューは実際にサーバーに接続することができるようになっているとのこと。
このAIRアプリは、Webサイト用のフォームを、コーディング担当者が、1日修正するだけ出来上がったものとのこと。
AIRランタイムには、SQLiteが含まれているため、online/offlineの対応もできる。

次にFlex3の開発担当者の話。
Flex3での主な強化点は以下の項目。
・プロファイラ
・インテリジェントなプログラミング環境
・データビジュアリゼーション
・Flexフレームワークキャッシュ

メモリプロファイラのデモをしてくれた。
メモリに展開されている全てのオブジェクトを、ツール上で確認できるようになっていた。

メソッド位置の自動検索のデモをしてくれた。
メソッドの名の修正をすると、そのメソッドを呼び出している箇所を自動検索して全て修正してくれる。

ツリー構造のデータグリッドのデモをしてくれた。
データグリッドが通常の2次元表ではなく、データのツリー構造まで把握できるようになっているので、カラムをグループ化したような扱い方ができる。
それに伴い、ソートの仕方も、複雑な条件に対応できるようになっている。

次にケビンリンチが再び登場で、AIRアプリの事例を紹介した。

Tweetr2.1
Snippage:ボックス上の任意のエリアにウェブサイトを切り抜いて表示することができる。
Pronoto!
Analytices Reporting Suite for Google Analytics:デモでは分析結果をgoogle mapに表示したものをpdfに生成して、ドラッグアンドドロップでデスクトップに保存していた。
・Paypal Desktop:Paypalの利用状況のグラフをAIR製のメールソフトにドラッグアンドドロップして、添付して送信するデモをしていた。
Digimix:グラフィカルなインターフェイスでサウンドを作成して、QT形式でデスクトップに保存していた。
ANTHROPOLOGIE:Webカタログの例。ローカルにメモを保存したり、色で商品検索をしたりできる。
ANTHROPOLOGIEの技術構成は、ファイルフォーマットとして、flash,pdf,HTMLが利用され、クライアントの作成はCS3,flexで行われている。そして、サーバーサイドにアドビが提供しているWebサービス、SCENE7を採用している。

次に、moviestarのさらに先のflashplayerの話。プロジェクトネームAstro。3Dエンジンなど搭載予定。


次に、新デザインツール、Thermoのデモ。
Thermoはより簡単にリッチインターネットアプリ用のインターフェイスを作るためのツール。
コードを書かずにflexアプリ用のインターフェイスが作れる。
デモの流れは以下、
・まずPFDフォトショップ形式のデザインカンプをThermoにインポートする。
・この結果すでに、MXML(Flexでswfを定義するXML形式のタグ言語)が的確に生成されている。
・Thermo上で、インポートしたアートワークや、Thermoで追加した矩形などをFlexコンポーネントに変更する。まずはTextInputを作る。
・次にPFDのアートワークをリストに変換する。基本的に対象となるアートワークを選択して、プロパティを変更するだけで、リストになる。
・アクションを追加するときも、プロパティの変更でできる。
・トランジションの追加はタイムラインで行うことができる。
・タイトルやコメント部分用のカラムの設定などのリスト全体の設定もプロパティの修正でできる。
・PFDのアートワークからスクロールバーを作る。アクションの割り当てから、ターゲットの割り当て、全てプロパティの修正とドラッグアンドドロップでできる。
・これらの作成結果はプレビューですぐに動作する。
・つまり、インタラクティブなモーションデザインまで、デザイナーが担当することができるようになる。
・残りのアプリケーションとして必要なコーディングの追加はFlexで行う。その際、デザイナーから引き継いだファイルは、きちんとしたMXMLになっているので、作業はスムースにつながる。



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最後にNTTドコモの執行役員、マルチメディアサービス部長の夏野氏の話。

ドコモは、flash,pdfの採用には積極的で、imode端末の7961万台、94%でフラッシュコンテンツを表示することが可能になっている。

ケータイコンテンツに、デザイン性、ファッション性を持ち込んだのはアドビの功績で評価している。

ドコモのマルチメディア部門に限ってみれば、毎年1000億円の増収を続けている。
これは、ケータイからのフラッシュコンテンツへのアクセスが確実に増えているということ。

pdf対応端末は、2591万台。主に業務系で、ディスプレイがQVGA、地図、カタログ、図面などが表示されている。

ドコモはflashCastを利用したichannelというサービスを展開している。
これは、登録しているサイトの更新情報を常時端末にプッシュ送信するサービス。
端末にはチャンネルという形式で、ヘッドライン情報がティッカーで表示される。
ヘッドライン情報を見て、詳細を見たいチャンネルを選択すると、詳細情報をダウンロードできるような仕組みらしい。
コンテンツは全部フラッシュで作るらしい。
FlashLite1.1が端末にインストールされていることが必要らしい。
もともとのターゲットは、あまり携帯に詳しくない層と考えていたが、実際は、それ以外のユーザーを取り込むこともできて、1300万人がこのサービスを利用しているとのこと。
チャンネルに何を登録するかはユーザーが自由に決められるらしい。
チャンネルの設定が自由なので、配信する側も自由で、自分でflashcastサーバーを準備すれば、登録可能状態になるという。

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ドコモは今後もflashテクノロジーを積極的に採用する予定で、今回リリースされる新機種から、端末は全てQVGAで、FlashLite3をプリインストールすると言っていた。

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