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MAX 2007 Japan 2日目 特別講演

2007年11月03日

adobeが今やっていることと、この先やって行こうとしていることのプレゼン。

アドビシステムズ プラットフォーム事業部担当シニアバイスプレジデント兼チーフソフトウェアアーキテクト ケビンリンチさんの話。

受付で渡される冊子によると、ケビンリンチさんは、アドビが提供する製品群とテクノロジープラットフォームの整合性管理が仕事とのこと。だから、基調講演、特別講演、どこでも最初に出てきてメインホストのような役をやっている。

基本的には、みんなが仕事で繰り返しコーディングしていることをやらなくてすむようにソフトウェアを開発しているとのこと。

最初にLIVECYCLE ESの話。
わかりやすい事例として、デモビデオを見せてくれた。

開発担当者のテッドパトリックさんの話。
基本的にデモビデオの内容をなぞる話。
業績をアップさせる、エンタープライズアプリケーションにおいては、UIの進化も必要だが、バックエンドで行われている部分でも、進化が必要。
それで、LIVESYCLE ESが開発されている。

LIVESYCLEは、データ管理、レポート作成、権限管理、プロセス管理など、を強力にサポートする。

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再びケビンリンチさんの話。
adobeではWebサービスも提供している。
Share,CoCoMo,Pacifica,SCENE7がそれで、一例としてSCENE7を紹介。

SCENE7はダイナミックイメージングサービスで、登録した画像について、必要なときに必要なサイズで呼び出すことを可能にしてくれる。

事例として、グッチのサイト
ここでは綺麗な商品画像がさまざまなサイズで表示されるが、これはSCENE7のウェブサービスで、ダイナミックに生成されている。

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続いて、株式会社サイバーエージェント長瀬氏、矢内氏の話。

インターネットメディア事業Amebaの話。
サイバーエージェントのホームページから引用すると、Amebaというのは、

Web of the year2006「ブログサービス部門」第1位!もっとつながる・発信する・交流する。書くことだけにとどまらないコミュニケーションツールとしてのブログサービスは「Ameba(アメーバブログ)」だけ。

とのこと。

背景として、
・ブロードバンドの普及
・利用可能なデータソースの増加
・ネットで情報交換する文化が定着した
・コミュニケーションをネットで実現するプラットフォームができた
ということがあり、Amebaを通して、サイバーエージェントさんが目指しているのは、よりよいユーザーエクスペリエンスの提供とのこと。

開発に当たって意識しているのは、現状で開発可能な技術のテンプレートから開発するサービスを選択して行くのではなく、ユーザーに提供できる価値を最高にすることを第一の目的として開発を行うこと。

開発事例として、ケータイ向け絵文字作成ツールの紹介。

絵文字を直感的に作成することを可能にすることによって、20万件以上の絵文字を共有できるようになっているとのこと。

RIA化することによって、メディアとして有効に機能することになった例とのこと。

次に、ブログパーツ作成ツール プーペガール の紹介。

インターフェースを直感的に操作可能なものにして、敷居をさげてユーザーにスムースにサービスに参加してもらって、メディアとして成立させる、というところは共通。
こちらの場合はそれプラス、バックエンドの負荷分散まできちんと対応してサービスを提供できている点がポイントとのこと。

次に、K-1 WORLD MAX 2007 タイピングバトルの紹介。

K1をモチーフにした、対戦型ゲームコンテンツで、タイプ入力の結果処理スピードが求められるところ、ソケット通信やバイナリデータでの通信を採用することでそれらが可能になったとのこと。
(FlashやFlash Media Serverを採用したということだと思う。)

最後に、インターネットの流れを振り返る、という話で、現状というのは、オープンプラットフォームを活用して、メディアを作成して行く段階。
例えば、twitterでは、本家のサービスより、APIの利用の方が10倍になっているとのこと。
そこで、サイバーエージェントでもFlickrを利用したアプリの開発などをしているとのこと。
その際、利用しているのがAIRで、インターネットのそうした流れと、直感的なインターフェイスの作成という点を実現できる点で注目しているらしい。

voq photoといアプリケーションがそれで、デモをしてくれた。

次にYahoo Japanのタイラ氏の話。

Yahoo Japanは、LIFE→ENGINEに、明確に方針転換をしたところだそうです。
少し具体的に言うと、
囲い込み→オープン化
パソコン中心→デバイスフリー
サービスは自社で行う→パートナーシップ
その背景には、ユーザーのWeb利用時間に占めるYahoo Japanの利用率は、17%で、1位の状態は変わらないが、さらにこの率を引き上げようとする場合、Webの普及率はおおむね頭打ちの状態のため、ユーザー数の増加ではなく、既存ユーザーの利用時間、滞在時間を増やすアプローチが必要になっていると分析しているからとのこと。

そこで始めたのは、まず、①インターネットを楽しく。
具体的には、自由な表現を促進するということで、バナー広告のflash player 6のしばりをflash player 8,9に変更すること検討しているとのこと。
また、アワードを行って広告表現のの場所を提供したり、Topページを改定し広告のスペースを大きくするなどをして行くとのこと。

次に、②使いやすさの追求。
アイトラック調査などで、インターフェイスの研究をしているとのこと。

事例として、Webメールのインターフェイスのデモを見せてくれた。
結論としては、AjaxよりFlexアプリの方が数ミリセカンド反応が早く、ユーザーテストで、Flexアプリの方が快適だという結果を得ているとのこと。
そのほかにも、Flexの場合、機能拡張が楽で、開発スピードが速く、デザインのバリエーションの変更などが楽で、インターフェイスの調査自体も楽になるとの話。
次期バージョンのYahooJapanのWebメールのインターフェイスはFlexで作られているらしい。

次に、③オープン化による多様性。
APIを公開し、開発者に、開発しやすい環境を提供することで、複数デバイスに対応できるような環境が開発されて行くように心がけているとのこと。
これによって、ユーザーに参加しやすい環境を提供することができるようになるとのこと。

最後に、まとめとして、今後の方針の話。
Webは、本当は個人個人に最適なサービスを提供できるものだと考えている。
テンプレートから選ばせるのではなく、デバイスも自由に選べ、サービスの組み合わせも自由に行える、個々人に最適にカスタマイズ可能なサービスを提供することを目指している。
それを実現するためには、デバイスごとに、開発する層ができて行くことが前提だと考えている。
顧客情報など、一元管理すべきものをYahooJapanで管理し、APIでそれらを提供して行く。
最終的には、TPOにあわせたサービスを提供可能にする。
全てのユーザーの無限に存在するTPOをカバーするために、開発者と連携して行きたいと考えている。
というような話でした。

最後に楽天の安武さんの話。

楽天の現状としては、サイトはまったくWeb1.0だと認識している。

RIA化しない理由として、
・HTMLのシンプルなページでも、キチンと顧客にアピールできれば売れるから。

事例として、家具の里
的を射た表現でまとめれば、クールなインターフェイスでなくても、家庭用の跳び箱すら、着実に売ることができるという現実。

・もっとすごいのは、商品さえよければ、口コミでよさが広がり、HTMLサイトがヘボくても、飛ぶように商品が売れるから。

事例として、おいもや
縦長に、広告を並べているだけのサイト。
ここで、最短1分6秒で、ほしいも500袋が売れる。
売れて行く状況はこんな感じ。

ただし、RIA化を考えていないわけではなくて、楽天でもウェブサービスを展開していて、APIを公開している。
また、自社でもAIRアプリの試作版の製作をしている。
以下がデモ。

AIRは簡単にアプリケーションがつくれる。
インターフェイスの試行錯誤ができる。
多言語対応なども配慮されている。
ユーザーが思い通りに使えるインターフェースができれば、さらに先の次元に進めるのではという考えは持っているとのことでした。

AIRの試作アプリはビーグル株式会社が作ったとのこと。

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